【関ケ原町】2025年は巳年。西濃地域のヘビにまつわる伝説を調べてみました
復活や再生の機会に恵まれる、などと言われる巳年の2025年も、間もなく3カ月が過ぎます。今回はこの干支にちなんで西濃地域の「巳=蛇」にまつわる伝説を調べてみました。(取材日:2025年2月13日)
ネットで蛇にまつわる伝説を調べていると、関ケ原町に何やら面白い伝説が存在するとのこと……。さっそく、伝説の舞台となった十九女池(つづらいけ)公園(関ケ原町関ケ原)内にある「十九女池」へ伺いました。
伝説のヒントを探して公園内を散策していると、立派な案内板が……。内容を確認したところ「つづらひめのふえ」という伝承が書かれていました。その伝承とはこちら。
「昔々のことやけど、夜更けて1人のお姫様。歳は十九の別嬪(べっぴん)で横笛吹いて通ったと。若者居る家探してはお椀を貸して貰ったと、若者達は部屋の中、美し笛の音待っていた。胸をどきどきさせながら、娘の来るのを待っていた。しかしいずこの娘じゃろ。まさか大池十九女池、大蛇の化身であるまいか。娘が来た時そのすきに大蛇の嫌いな針さした。娘はばったり来なくなり、お椀と横笛残したと」
まさしく蛇にまつわる伝説がここにあることが分かります。もっと詳しく知りたいので関ケ原町歴史民俗学習館を訪れ、この伝承について聞いてみました。
学芸員の方の話によると、諸説あるそうですが、昔、池の近くに20歳前後の若い女性が笛を吹きながら池の近くにあった「十九屋(つづや)地域」にやって来てはお椀を借り、そのお礼に鯉や鮒を持って来ていたそうです。しかし、そのお椀の生臭さを怪しく思った村の男が、お椀に針を刺して貸したところ、2度と姿を現さなくなった、とのこと。
──なぜ針を刺すことで2度と現れなくなってしまうのでしょうか?
関ケ原町歴史民俗学習館の学芸員:蛇は「金物が苦手」という伝承があり、そこから来ているのだと思います。一説によると、この女性は池に住む大蛇で、この出来事をきっかけに大垣市にある杭瀬川あたりに移った、という話もあります。ちなみに大蛇の大きさは長さ約20丈(約60.6メートル)だったと言われています。
ちなみに、この伝承の結末には「大蛇が龍になった」、「大蛇だと思っていたが実は龍だった」など諸説あるようですよ。気になる方は関ケ原町歴史民俗学習館で、この伝承にまつわる文献について教えてもらうこともできます。なお、この伝説は「関ケ原カルタ」に描かれており、和蹔野(わざみの)橋でも見ることができます。
余談ですが、この女性が残したといわれる横笛と椀が関ケ原町に残っているそうで、町内にある八幡神社と法忍寺の宝物となっているんだとか……。巳年だからこそ、十九女池に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
十九女池がある十九女池公園はこちら↓